バスケットボールにおいて、「3on3(スリーオンスリー)」は、コートの半面を使って行う3人対3人のゲームとして、昔からストリートバスケを中心に親しまれてきました。
そして、近年では「3×3(スリーバイスリー)」として正式な競技種目となり、オリンピック競技にも採用されるほどの注目を集めています。
3on3と3×3は、どちらも少人数で行うバスケットボールですが、ルールや戦術にはいくつかの違いがあります。
特に3×3は、試合時間が短く、攻守の切り替えが非常に速いため、個々のスキルと判断力がより求められる競技です。
ここでは、3on3と3×3の違いを明確にしながら、3×3の基本ルール、特徴、戦術、必要なスキルなどを詳しく解説します。
3on3を楽しんでいる方や、3×3の競技に興味のある方はぜひ最後までご覧ください!
3on3と3×3の違い
3on3(スリーオンスリー)と3×3(スリーバイスリー)にはどんな違いがあるのでしょうか。
一般的に3on3はストリートバスケットや体育の授業で行われるゲーム形式を指し、3×3はFIBA(国際バスケットボール連盟)が公式ルールを定めた競技スポーツです。
以下の表でその違いを見てみましょう。
項目 | 3on3(スリーオンスリー) | 3×3(スリーバイスリー) |
---|---|---|
コート | バスケットコートの半面を使用 | バスケットコートの半面を使用 |
ルール | ローカルルールが多く、自由度が高い | FIBAの公式ルールに基づく |
試合時間 | 特に決まっていないことが多い | 10分 or 21点先取 |
ショットクロック | なし | 12秒 |
得点ルール | 2点・3点 | 1点・2点 |
攻守交代 | チームの自由裁量 | 2Pラインの外にボールを出してリスタート |
このように、3on3と3×3は似ているようでありながら、公式ルールの有無や試合展開のスピードに違いがあります。
3×3の魅力とは?
3×3(スリーバイスリー)は、従来の5人制バスケットボールとは異なる特徴を持ち、多くの魅力があります。
試合展開が速く、個々のスキルがより際立つため、スリルと迫力を感じられるスポーツです。
では、3×3ならではの魅力を詳しく見ていきましょう。
試合のテンポが速い
3×3は12秒のショットクロックがあり、攻撃の選択に時間をかけられません。
そのため、オフェンスは即座にシュートやドライブを決断し、試合の流れが止まることなく進行します。
また、得点後もすぐに相手ボールになるため、瞬時の攻守の切り替えが求められるのが特徴です。
5人制との比較(試合展開)
種類 | ショットクロック | 攻守交代の流れ |
---|---|---|
3×3 | 12秒 | 得点後すぐにリスタート(2Pライン外へ) |
5人制 | 24秒 | 相手チームにインバウンドパス |
個人のスキルがより重要
3×3は、5人制と違い、各プレイヤーがオフェンスとディフェンスを両方こなす必要があります。
そのため、1on1の突破力やアウトサイドシュート、ディフェンス能力がすべて重要になります。
特に、身体能力だけでなく、戦術理解力や判断力が求められるため、プレイヤーの総合的なスキルが磨かれます。
3×3で必要なスキルの例
✅ ドリブルスキル(1on1で抜き去る力)
✅ シュート力(外角シュートが決定打になる)
✅ ディフェンス力(マンツーマンで止める能力)
✅ リバウンド力(ゴール下での競り合いが激しい)
ポジションの役割が流動的
5人制バスケットボールでは、ポイントガード(PG)、センター(C)など、ポジションごとに明確な役割があります。
しかし、3×3ではたった3人しかコートにいないため、特定のポジションにとらわれず、全員が流動的にプレーする必要があります。
3×3におけるプレイヤーの役割
タイプ | 役割・特徴 |
---|---|
スコアラー | 1on1での得点力が高い |
プレーメーカー | 味方を活かすパスやゲームメイク |
ディフェンダー | 相手の得点を防ぐ守備力がある |
リバウンダー | ゴール下でボールを奪う力がある |
ストリートバスケの要素が残っている
3×3は、もともとストリートバスケットボールがルーツです。
そのため、派手なドリブルムーブやダンク、トリッキーなプレーが頻繁に見られるのも魅力のひとつです。
また、試合中にDJが音楽を流すなど、エンターテイメント性も高いのが特徴です。
3×3の主要ルール
3×3(スリーバイスリー)は、5人制バスケットボールとは異なり、独自のルールがいくつも存在します。
試合のテンポが速く、攻守の切り替えがスムーズに行われることが特徴で、短時間で多くのスコアが生まれます。
ここでは、3×3の主要ルールについて詳しく解説します。
チーム編成と試合時間
3×3は、1チーム最大4名(コート上に3名+交代要員1名)で構成されます。
監督やコーチは不在で、試合中の戦術や判断はプレイヤー自身が行います。
試合時間は10分間のゲームクロック制(ランニングタイム)で進行し、どちらかのチームが21点に到達した時点で即試合終了となります。
もし10分経過しても21点に達していない場合は、スコアの多いチームが勝利します。
例えば、残り1分で19-18という接戦の展開だった場合、3×3では3ポイントシュート(2点)を決めるだけで逆転勝利が確定します。
5人制バスケットボールと比べても、試合の終盤に一気に形勢が逆転する可能性が高いスポーツです。
項目 | 3×3(スリーバイスリー) | 5人制バスケットボール |
---|---|---|
チーム人数 | 3人+交代1人(計4人) | 5人+交代最大7人(計12人) |
コーチの有無 | なし(選手自身で判断) | あり(ベンチから指示) |
試合時間 | 10分 or 21点先取で終了 | 40分(NBAは48分) |
ショットクロック | 12秒 | 24秒 |
得点の仕組み | 1点(通常シュート) 2点(3Pライン外) フリースロー1点 | 2点(通常シュート) 3点(3Pライン外) フリースロー1点 or 2点 |
試合終了条件 | 10分経過 or 21点先取 | 4クォーター制で時間終了時に得点が多い方が勝利 |
コートとボールの特徴
3×3は、通常のバスケットコートの半面を使用して行われます。
これにより、選手同士の距離が近くなり、ドリブル突破やシュートの判断が求められる場面が多くなります。
また、使用するボールも専用のものがあり、女子用(6号サイズ)の大きさで、男子用(7号サイズ)の重さという特徴があります。
これは、試合の展開をスムーズにし、ドリブルやパスのスピードを向上させるために採用された仕様です。
項目 | 3×3(スリーバイスリー) | 5人制バスケットボール |
---|---|---|
コートサイズ | 半面(15m×11m) | フルコート(28m×15m) |
ボール | 6号サイズで7号の重さ | 男子:7号 / 女子:6号 |
チーム構成 | 3人+交代1人 | 5人+交代最大7人 |
このように、3×3はコンパクトな環境の中で、個々のスキルと判断力がより求められるスポーツになっています。
得点とシュートルール
3×3では、得点方法が5人制と若干異なります。
シュートの得点配分は以下のようになっています。
- ゴール下やペイントエリアからのシュート … 1点
- 2Pライン(通常の3Pライン)外からのシュート … 2点
- フリースロー … 1点
5人制バスケットボールでは、3ポイントシュートが3点になりますが、3×3では2点が最大となり、得点の計算がシンプルになっています。
また、得点後はインバウンドなしで即座に攻撃が再開されるため、試合の流れが非常に速いのも特徴です。
得点後のリスタート
得点が決まった後は、ボールが相手チームに渡りますが、従来のバスケットボールのようにスローインは行いません。
ボールを受け取ったチームは、2Pラインの外にボールを出してから攻撃開始となります。
これにより、リスタートの時間が短縮され、攻守の切り替えが一瞬で行われるスピーディーな試合展開が実現しています。
ショットクロックとファウルルール
ショットクロックとファウルルールについて以下をご覧ください。
ショットクロック
5人制では24秒ですが、3×3ではショットクロックが12秒しかありません。
これにより、ボールを持った瞬間から素早く攻撃の選択をしなければならない状況になります。
例えば、ボールを受け取った瞬間に「ドライブする」「パスする」「シュートを打つ」という3つの選択肢の中から、1~2秒以内に判断しなければならないため、瞬時の判断力が重要になります。
ファウルとペナルティ
3×3では、個人ファウルはカウントされず、チームファウルとして累積されるのが特徴です。
- チームファウル6回目まで → ペナルティなし
- 7~9回目のファウル → フリースロー2本
- 10回以上のファウル → フリースロー2本+相手ボール
つまり、ディフェンスで不用意にファウルを重ねると、後半にペナルティで失点を重ねるリスクが高くなります。
また、アンスポーツマンライクファウルやディスクォリファイングファウル(退場処分)も適用されるので、ラフプレーには特に注意が必要です。
選手交代と試合進行
選手交代と試合進行について以下をご覧ください。
選手交代
3×3では、プレーが止まったタイミングで自由に選手交代が可能です。
5人制のように審判の合図を待つ必要はなく、試合の流れを見ながら選手を入れ替えることができます。
試合開始の方法
試合はジャンプボールではなく、コイントスで攻守を決定します。
コイントスで勝ったチームは、試合開始時にボールを保持するか、オーバータイムの先攻を選ぶことができます。
また、ターンオーバーやリバウンドを奪った際にも、即座にプレーが続行されるため、通常のバスケットボールよりもプレーの継続性が高いです。
まとめ
3on3は、ストリートバスケを中心に親しまれてきたシンプルなゲームですが、3×3として正式な競技ルールが確立されたことで、より戦術的でスピーディーなスポーツへと進化しました。
3×3は、5人制バスケットボールとは異なり、試合時間が短く、少人数のため個々のスキルや戦術理解が重要になります。
特に攻守の切り替えの速さや、12秒という短いショットクロックが特徴であり、一瞬の判断が試合の流れを大きく左右します。
今回ご紹介したルールや戦術、必要なスキルを身につけることで、より効率的に3×3をプレーできるようになります。
試合での活躍を目指しながら、3on3や3×3を楽しんでいきましょう!