バスケをやっている方は「バイオレーション」という言葉を聞いたことがあると思います。
「バイオレーション」はファウル以外のすべての反則行為と言っておりますが、もっと分かりやすく言うと基本的には
- バイオレーション:時間制限やボールコントロール等
- ファウル:体への接触行為等
43歳の私が高校生の頃は、今じゃ当たり前の「24秒」ですが、昔は「30秒」であったりとルールは変わっていますよね。
ここでは、そんなバスケのバイオレーションについて詳しく調べてご紹介したいと思います。
バスケのバイオレーションで最初におさえておきたい10つの行為
バスケのバイオレーションは、「時間に関してのバイオレーション」と「ボールに関してのバイオレーション」に分けることが出来ます。
バスケをやる上で、最初に知っておきたいバイオレーションについて、詳しくご紹介いたします。
時間のバイオレーション
時間のバイオレーションは「オフェンスのみ」に適用される違反になります。
24秒ルール
24秒ルールは、実は意外に複雑なんです。
オフェンス側は「24秒以内にシュートを打たなければいけない」と何となく知っていると思いますが、まず、これは大前提です。
2020年にはミニバスにも30秒ルールから24秒ルールに完全変更されるので、ミニバスの指導者は注意が必要ですね。
バスケでは時間が表示されるタイマーには、「残り時間を表示」と「24秒の残り時間を表示」する2つの時間が表示されています。
24秒を「ショットクロック」とも表しますが、24秒以内にシュートをしたとみなされるには、以下の2つの行為をしているのが前提になります。
- 24秒のブザーが鳴る前に、ボールがプレーヤーの手から離れていること
- ボールがそのプレーヤーの手から離れたあと、リングに触れるかバスケットゴールに入ること
通常のシュート(24秒以内)であれば、シュートをして入った場合は、相手チームのスローインから始まりボールに触れてから24秒開始となりますが、24秒のブザーが鳴る前にシュートをし、ボールが空中にある時にブザーが鳴ってしまった場合はバイオレーションになる場合とならない場合があります。
バイオレーションにならない
- ボールがバスケットゴールに入った場合はブザーは無視され得点が認められる(ブザービート)
- ボールがリングに触れるがバスケットゴールに入らなかった場合、ブザーは無視されゲームは続行される
バイオレーションになる
- ボールがリングに当たらなかった場合
しかし、ボールがリングに当たらなかったが相手チームが速やに明らかにボールをコントロールした場合、ブザーは無視されゲームは続行されます
24秒以内にシュートを打たなければいけない24秒ルールですが、24秒の間にファウルを受けたりした場合は、今まで経過していた秒数がリセットされ24秒からのスタートとなる場合があります。
注意しなければいけない事は、24秒からの開始の場合と14秒からの開始があるという事です。
とくにフロントコートでゲームがとまった場合とバックコートでゲームがとまった場合で違いがあります。
スローインがバックコートから
- ショットクロックが24秒にリセット
スローインがフロントコートから
- ゲームがとまった時ショットクロックが14秒以上の場合:とまった時に残っている秒数から継続
- ゲームがとまった時ショットクロックが13秒以下の場合:ショットクロックが14秒から
8秒ルール
バックコート(自分たちのゴールがあるコート)とフロントコート(相手のゴールがあるコート)が関係しており、8秒ルールとは「8秒以内にフロントコートにボールを運ばなければいけない」というバイオレーションです。
8秒は、基本的に以下のパターンによって発生します。
- シュートが入った後のスローイン
シュートが入った後はエンドラインからスローインとなり、そのボールがプレーヤー(バックコート内にいる)に触れた時点から8秒以内にフロントコートまで運ばなければいけないということになります。
8秒ルールのバイオレーションになった場合は、相手チームのボールとなり、バックボードの真後ろを除いた、バイオレーションが起きたボールの場所に最も近い位置からのスローインとなります。
また、フロントコートへパスをしている最中でボールが空中にあった場合は、センターラインに最も近い位置からのスローインとなります。
フロントコートにボールを運んでいる最中に、アウトオブバウンズやジャンプボールになった場合は、8秒がリセットされるわけではなく継続されます。
強いチームはオールコートでディフェンスをして、フロントコートまでボールを運ばせないようにする事はよくありますね。
5秒ルール
5秒ルールとは5秒以内に以下の動作をしなければいけないというバイオレーションです。
- フリースローで審判からボールを受け取ってからシュートするまで
- サイドライン・エンドラインで審判からボールを受け取ってコート内に投げるまで
- 1m以内の近距離でディフェンスをされている時にパス、ドリブル、シュートをするまで
ディフェンスをされながらドリブルをしていればいいですが、プレスがきつくその場に立ち止まってしまった場合には、5秒以内にパスかシュートを打たないとバイオレーションとなってしまいますので注意しましょう。
5秒ルールのバイオレーションとなった場合は、バイオレーションとなった場所から相手チームのボールとなりますが、フリースローの場合は、フリースローライン延長上のサイドラインからのスローインと変わります。
3秒ルール
3秒ルールとは制限区域と言われる「長方形の部分に3秒以上入ってはいけない(ミニバスの場合台形部分)」というバイオレーションです。
3秒はオフェンスをしているチームのプレーヤーのみが対象で、片足だけ入っていてもバイオレーションとなります。
3秒のバイオレーションとなった場合は、相手チームのボールとなり、フリースローライン延長上のサイドラインからのスローインと変わります。
しかし、3秒ルールが適用されない場合がありますので以下をご覧ください。
- 制限区域から出ようとしている
- そのプレーヤーあるいは味方のプレーヤーがショットの動作中で、ボールが手から離れたか離れようとしている
- 3秒未満の間制限区域内にいたあと、ショットをするためにドリブルをしている
基本としては「制限区域に両足をつけて3秒以上入ってはいけない」と覚えておきましょう。
また、NBAではディフェンス側にも3秒ルールがありますので、ビックリですね。
ボールのバイオレーション
トラベリング
トラベリングは、ボールを持ったまま3歩以上歩いてはいけないバイオレーションです。
片足を床につけ、その片足の軸を動かさずに一方の足を動かすのを「ピポット」と言いますが、ピポットはトラベリングにはなりません。
しかし、ピポットで軸となる方足が動いてしまった場合はトラベリングとなります。
ここでバスケ好きの皆さんは「0ステップ(ゼロステップ)」という言葉を聞いたことはありませんか?
NBA好きの方はご存知かもしれませんが、2018年に日本でもトラベリングのルールが一部改正されました。
0ステップという言葉自体はありませんが、「動きながら床に足がついた状態でボールをコントロールした場合、コントロールをした後に2歩までステップを踏んでも良い」というルールです。
「0歩、1歩、2歩」とカウントされることから0ステップと言われるのですね。
もう少しかみ砕いて言うと
- 空中でボールを受け取った場合:着地した足が1歩目
- ドリブルからのシュートやパス:ボールを持つ前から踏み込んでいる足を0歩目
- 同じ足を連続して使用してはいけない(右、右など)
文字にするとかなり表現が難しいのですが、トラベリングに関しては従来通りの「ボールを持って1歩、2歩、シュート」と思っておいた方がいいかもしれません。
ダブルドリブル
ダブルドリブルとは、ドリブルが終了したあとで、再度ドリブルをしてはいけないと言うバイオレーションです。
右手→右手や、右手→左手のドリブルであれば良いですが両手でドリブルをしてはいけません。
右手から左手に変えるドリブルで、万が一ボールを持ったような状態であれば、その後にドリブルをすればダブルドリブルとなってしまいますので、その場合は、パスをするかシュートをするしかありませんね。
バックコート
バックコートとは、バックパスと言った方が馴染みがあるかもしれないバイオレーションです。
オフェンス側がフロントコートまでボールを運び攻めている時に、パスミスなど誤ってセンターラインを越えバックコートまでボールがいってしまった時にバイオレーションとなります。
オフェンス側がドリブルによってバックコートになってしまった場合は、センターラインに最も近いサイドラインからの相手チームのスローインとなります。
ですので、パスミスによってボールがバックコートに行ってしまった場合は、ボールを取った場所から最も近いサイドラインからのスローインとなってしまいますので、早めにボールを取りましょう。
また、ミニバスでは、バックコートというバイオレーションはありません。
キックボール
キックボールは、故意にバスケットボールを蹴ったり、止めたりした場合のバイオレーションです。
足、膝、腿など足にまつわる部分が対象です。
しかし、キックボールは「あくまでも故意的に行った時」とされるので、偶然にボールが足に当たってしまった場合はバイオレーションとはなりません。
インターフェア
インターフェアは、シュートやフリースローの時、シュートしたボールがリングよりも上にある、あるいはリングに触れはねている時に「ネット、リング、バックボード」に触れてはいけないと言うバイオレーションです。
オフェンス側、ディフェンス側のどちらも適用になります。
試合中、むやみにバックボードやネットには触らない事ですね。
インターフェアには、以下の罰則がありますので、ご注意ください。
- オフェンスのプレーヤーがバイオレーションをした場合:得点にはならず別途ルールで定められた場合以外では、相手チームのボールとなり、フリースローラインの延長線上からのスローインになります。
- ディフェンスのプレーヤーがバイオレーションをした場合:オフェンスのチームに以下の得点が与えられます。
・フリースローの場合:1点
・ツーポイントエリアからのシュートの場合:2点
・スリーポイントエリアからのシュートの場合:3点 - ディフェンス側が、最後のフリースローの時にゴールテンディングのバイオレーションをした場合:オフェンス側に1点が与えられ、ディフェンス側のプレーヤーにテクニカルファウルが宣せられます。
ゴールテンディング
シュートしたボールは放物線を描きバスケットゴールに向かって落ち始めますよね、ゴールテンディングは、最高点からバスケットゴールに向かって落ち始めているボールを触った場合のバイオレーションの事を言います。
オフェンス側、ディフェンス側のどちらも適用になります。
ゴールテンディングは、NBAの試合ではわりと見かけると思いますが、中学、高校、大学など国内大会での試合で見かけることはほとんどないでしょう。
まとめ
バスケのバイオレーションについていかがでしたか。
私もそうかもしれませんが、試合中に相手チームの「3秒」や「8秒」を疑う際には「バイオレーション、バイオレーション!」とは言わずに「8秒、8秒!」などと反則内容を叫ぶことが多いですよね。
また、ほとんど知ってるよ!と思われるかもしれませんが、これからバスケを始めようと思っている方や今のバイオレーションについて詳しく知りたいと思っている方など、参考にしてみてください。