バスケットボールの試合では、実際にコートでプレーする選手の他に、ベンチで待機する「控え選手」も重要な役割を果たします。
その中で気になるのが「ベンチ入り人数は何人まで?」という疑問です。
これは試合形式やカテゴリによって大きく異なり、場合によってはコーチやスタッフの人数も試合成立に関係してきます。
ここでは、FIBAやBリーグ、高校・中学、ミニバス、さらには3x3まで、それぞれのベンチ入り人数やルールの違いを詳しく解説します。
バスケにおける「ベンチ入り人数」とは?
バスケットボールの試合では、実際にコートでプレーする5人の選手以外にも、交代に備えてベンチに控える選手たちが存在します。
これらの控え選手を含めた「その試合で出場登録され、ベンチに座ることが認められている人数」を、一般に「ベンチ入り人数」と呼びます。
この人数には上限があり、国際ルール(FIBA)や国内のリーグ・大会ごとに細かく定められています。
すべての登録選手がベンチに入れるわけではなく、大会の規定によっては15人中12人しかベンチに入れないといった制限が設けられることもあります。
また、ベンチ入りは「出場の可能性があること」を意味しており、実際にプレーするかどうかにかかわらず、交代の候補として戦術上重要なポジションです。
ベンチ入りしていない選手は、たとえチームメンバーであっても、その試合中は出場できません。
さらに、ベンチに入る選手だけでなく、指導スタッフ(コーチやマネージャーなど)も人数制限の対象となり、スコアシートへの登録が必要です。
つまり、「ベンチ入り」は選手だけでなく、スタッフも含めてチームの一部として公式にその試合に関与できる状態を意味しています。
カテゴリによっては、試合中の交代回数や出場義務にまで影響を与えることがあり、特にミニバスではベンチ入り選手の出場タイミングが厳しく管理されています。
【5人制】公式ルールに基づくベンチ入り人数
バスケットボールの試合では、試合形式や団体によってベンチ入りできる人数に差があります。
特に国際ルール(FIBA)や国内リーグ(Bリーグ)に加えて、アメリカのNBAも独自の規定を採用しています。
以下の表に、主要なカテゴリごとのベンチ入り人数を一覧でまとめました。
カテゴリ | 出場登録人数 | ベンチ入り人数 | スタメン | 控え選手 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
FIBA(国際) | 12人 | 12人 | 5人 | 7人 | 国際大会・五輪など |
NBA | 最大15人 | 13人(アクティブ) 2人(非アクティブ) | 5人 | 8人(アクティブのみ) | 非アクティブは試合登録外 |
Bリーグ | 最大14人 | 12〜14人 | 5人 | 7〜9人 | ユース育成特別枠により14人可 |
高校・中学バスケ | 約12〜15人 | 約12〜15人 | 5人 | 7〜10人程度 | 大会により変動あり |
NBAのベンチ人数ルール(補足)
NBAでは、チーム全体として最大15人の選手をロスター登録できますが、そのうち試合に出場できるのは「アクティブプレイヤー」13人までです。
残りの2人は「インアクティブプレイヤー」として、ベンチには同席できますが試合には出場できません。
各試合前にはチームが出場可能な選手を公式に提出する義務があり、選手のコンディションや怪我の有無に応じて試合ごとの登録メンバーが調整されます。
アクティブ登録の13人の中から、スタメン5人+控え8人が試合に出場可能となります。
【ミニバス】独自ルールによるベンチ入り人数と出場義務
ミニバス(U12)では、すべての選手に試合経験を積ませることを目的とした特別なルールが設けられています。
ベンチ人数だけでなく、出場や交代の条件にも特徴があります。
登録人数 | 出場に関するルール |
---|---|
10人以上 | 3Q終了までに10人全員が1Q以上出場必須(1Qずつに振り分け) |
8〜9人 | 3Q終了までに全員が最低1Q出場 |
7人以下 | 試合可能だが特例扱い。場合によっては試合成立せず没収扱いになることも |
加えて、以下のような出場制限があります。
- 同じ選手が3Q連続で出場することは禁止
- 前半(1Q・2Q)は交代不可
- 出血や怪我時は例外的に交代可能
これらのルールにより、ベンチの人数は試合成立や出場機会の均等性に直結します。
【ミニバス】コーチ・スタッフの人数と試合成立条件
ミニバスでは、選手だけでなく指導者の人数や資格も試合成立に関わる重要な要素です。
特にヘッドコーチにはJBA公認の資格が必須となっており、これを満たさない場合は公式戦の出場が認められないこともあります。
役職 | 必須人数 | 備考 |
---|---|---|
ヘッドコーチ | 1人 | JBA公認コーチ資格(E級以上)が必須。不在・無資格では試合不可 |
アシスタントコーチ | 1人以上 | 資格が望ましい。保護者代表でも代行可能(登録要) |
その他関係者(MGR等) | 最大3人 | タイマーや記録係、体調管理などを担うスタッフ。ベンチ登録が必要 |
コーチ資格に関する注意点は以下になります。
- JBA公認コーチ資格(E級以上)は、チームを公式戦に出場させるための必須条件です。
- 登録はJBAマイページ経由でオンライン講習+テストを受講・修了することで取得可能です。
- 資格を持つヘッドコーチが試合当日に不在の場合、没収試合となることがあります。
- アシスタントコーチは原則資格が望ましいですが、保護者やチーム関係者が代行することも可能です(登録要)。
【3x3バスケ】たった4人の登録とコーチ禁止の特殊ルール
3x3(スリーバイスリー)は、5人制とは大きく異なるルールが採用されており、チームの人数構成やスタッフの関与方法も独自です。
3x3ではコーチやアシスタントの制度そのものがなく、選手自身が交代や戦術判断を行います。
タイムアウトも選手自身の申請によって行われ、まさに「自己完結型スポーツ」といえる競技形式です。
項目 | 内容 |
---|---|
コート上の選手数 | 3人 |
登録選手数(最大) | 4人(3人+交代1人) |
ベンチ入り人数 | 1人(交代要員) |
コーチの関与 | 禁止(ベンチ入り・指示ともに不可) |
試合成立に必要な人数 | 最低3人(揃わなければ不戦敗) |
まとめ
バスケットボールの「ベンチ入り人数」は、単に交代要員の数を意味するだけではなく、出場条件や試合成立に直結する重要な要素です。
特にミニバスでは人数不足が即試合不成立につながることもあり、3x3では選手だけで試合を進行する特性があります。
各カテゴリで求められるルールや運営形態を正しく理解することで、スムーズで安全な試合運営が可能になります。
今後チーム運営や観戦の際には、ぜひこうした「人数ルール」の背景にも注目してみてください。